Magic ring
絶対私、今顔真っ赤だ……!
恥ずかしくて手で顔を覆おうとすると、彼が「危ないからちゃんと捕まってろ」とさっきの表情は何処へやら、しかめっ面で言ってくる。
いつもあんな顔してればいいのに。女の人なら皆落ちるよ?本当に!
私がしぶしぶと彼の首に手を絡めると、彼はフェンスの上で外に向き直る。
「歯を食いしばってろ。」
「ちょ、ちょま、何する気ィイイイイィイ!!ギャアアアアアアアアア!!!!」
私が話し終わる前に彼はフェンスから飛び降りた。
きっと10メートルくらいはある高さを、平然と。
「あんまり叫ぶな。俺がいるから大丈夫だ」
「そんなことっ言われたってェエエェエエエエ!!」
私は握りつぶすくらいの勢いで彼の首と体をがっしりと掴んだ。