夢物語
「ムカつく……」
スマホを壁に投げつけて、寝室に戻って優を叩き起こし問い詰めたい衝動を抑えつつ、震災後のメールをチェック。
その頃まではまだ親しいサークル仲間の距離を保っているのが感じられたのだけど、どう考えてもあやしくなってきたのはその直後、ビアガーデンに出かけた後だ。
親密さがアップしたきっかけとなった地方都市の仲間が札幌に出張で訪れていて、その際一席を設けたのがビアガーデン。
仲間を見送った帰りに大きな余震に見舞われて、高橋冴香が帰宅する予定のJRが全て運休してしまい、最終列車がなくなってしまった。
それをいいことに、帰られなくなったという口実の元、どうやら二人は一線を越えたんじゃないかと推察される。
もちろん決定的な一文はないのだけど、メールの前後の内容から判断して、二人が「友達」の域を超えたのはこの夜で間違いないと思った。
「……」
私は怒りを抑えつつ、スマホを閉じた。
気が付いたらもう三十分近く優のスマホを握りしめており、これ以上長居すると優が目を覚ます危険性が高まる。
元々置かれていた場所に置き直し、胸の高鳴りを鎮めた後一呼吸して、寝室に戻った。
スマホを壁に投げつけて、寝室に戻って優を叩き起こし問い詰めたい衝動を抑えつつ、震災後のメールをチェック。
その頃まではまだ親しいサークル仲間の距離を保っているのが感じられたのだけど、どう考えてもあやしくなってきたのはその直後、ビアガーデンに出かけた後だ。
親密さがアップしたきっかけとなった地方都市の仲間が札幌に出張で訪れていて、その際一席を設けたのがビアガーデン。
仲間を見送った帰りに大きな余震に見舞われて、高橋冴香が帰宅する予定のJRが全て運休してしまい、最終列車がなくなってしまった。
それをいいことに、帰られなくなったという口実の元、どうやら二人は一線を越えたんじゃないかと推察される。
もちろん決定的な一文はないのだけど、メールの前後の内容から判断して、二人が「友達」の域を超えたのはこの夜で間違いないと思った。
「……」
私は怒りを抑えつつ、スマホを閉じた。
気が付いたらもう三十分近く優のスマホを握りしめており、これ以上長居すると優が目を覚ます危険性が高まる。
元々置かれていた場所に置き直し、胸の高鳴りを鎮めた後一呼吸して、寝室に戻った。