夢物語
「これは……、帰り道じゃない」
優の車は国道を直進した後、家とは違う方向に進み始めていた。
まっすぐ帰宅しないで、どこかに寄り道をしようとしている。
「どこかに寄るのは想定外だけど、どこに向かっているのやら……」
街の中心部には向かっていない。
でももしかしたらまだ仲間と一緒で、たまり場の居酒屋の可能性もあるため成り行きを注視する。
GPSはリアルタイムで、優の居場所を指し示す。
直接追いかけなくても、こうやって家にいて監視下に置くことができる……。
「あ、止まった」
「どこだろう?」
位置情報が指し示す、地図上の建物を確認。
拡大すると……。
「これって……、大人なホテルじゃない?」
姉は自分のスマホの地図と、アプリが教えてくれた優の現在位置を比較しながら告げた。
「ここってうちから車で15分くらいじゃない? 今から行こう!」
「えっ、まさか怒鳴り込むとか!?」
「いや、証拠写真撮っておこう!」
姉は私が密会現場に乱入するんじゃないかと心配したけれど、私は証拠を押さえることで頭が一杯だった。
浮気が疑惑ではなく現実だったショックよりも、彼氏がぼろを出したこと、こちらの追跡が成功したことに対する達成感がなぜか心の大部分を占めていた。
優の車は国道を直進した後、家とは違う方向に進み始めていた。
まっすぐ帰宅しないで、どこかに寄り道をしようとしている。
「どこかに寄るのは想定外だけど、どこに向かっているのやら……」
街の中心部には向かっていない。
でももしかしたらまだ仲間と一緒で、たまり場の居酒屋の可能性もあるため成り行きを注視する。
GPSはリアルタイムで、優の居場所を指し示す。
直接追いかけなくても、こうやって家にいて監視下に置くことができる……。
「あ、止まった」
「どこだろう?」
位置情報が指し示す、地図上の建物を確認。
拡大すると……。
「これって……、大人なホテルじゃない?」
姉は自分のスマホの地図と、アプリが教えてくれた優の現在位置を比較しながら告げた。
「ここってうちから車で15分くらいじゃない? 今から行こう!」
「えっ、まさか怒鳴り込むとか!?」
「いや、証拠写真撮っておこう!」
姉は私が密会現場に乱入するんじゃないかと心配したけれど、私は証拠を押さえることで頭が一杯だった。
浮気が疑惑ではなく現実だったショックよりも、彼氏がぼろを出したこと、こちらの追跡が成功したことに対する達成感がなぜか心の大部分を占めていた。