夢物語
***
「で、これからどうするか決めた?」
追跡アプリでGPS備考の末、証拠写真を手に入れてから数日後。
私を心配した姉がまた私のマンションを訪れた。
「お姉ちゃんこそこんなにいいの?」
子供はいないとはいえ、結婚しているのに頻繁に妹の家を訪れてくれる姉がちょっと心配だった。
「今週末はアウェイでうちの人も遠征に出ているから」
姉の夫は地元Jリーグクラブ、FC北海道のチームスタッフで。
シーズン中はチームと行動を共にすることが多く、不在がち。
それゆえ姉は一人で留守番が多く、妹の一大事に際し全面的にバックアップしてくれている。
「……分かんない」
「分からない、って」
姉は苦笑した。
「今のままでいいはずはないよね」
姉の言うことはごもっとも。
「こんな人を馬鹿にした話ってある? 二股だけでもとんでもないのに、相手は志穂より十六歳年上。優くんからだって八つも上なんでしょ。そんな年上女とどうして志穂が両天秤にかけられなきゃならないわけ?」
あえて言葉にされなくても分かってる。
あんな女のどこがいいの?
それは私が一番聞きたい。
「で、これからどうするか決めた?」
追跡アプリでGPS備考の末、証拠写真を手に入れてから数日後。
私を心配した姉がまた私のマンションを訪れた。
「お姉ちゃんこそこんなにいいの?」
子供はいないとはいえ、結婚しているのに頻繁に妹の家を訪れてくれる姉がちょっと心配だった。
「今週末はアウェイでうちの人も遠征に出ているから」
姉の夫は地元Jリーグクラブ、FC北海道のチームスタッフで。
シーズン中はチームと行動を共にすることが多く、不在がち。
それゆえ姉は一人で留守番が多く、妹の一大事に際し全面的にバックアップしてくれている。
「……分かんない」
「分からない、って」
姉は苦笑した。
「今のままでいいはずはないよね」
姉の言うことはごもっとも。
「こんな人を馬鹿にした話ってある? 二股だけでもとんでもないのに、相手は志穂より十六歳年上。優くんからだって八つも上なんでしょ。そんな年上女とどうして志穂が両天秤にかけられなきゃならないわけ?」
あえて言葉にされなくても分かってる。
あんな女のどこがいいの?
それは私が一番聞きたい。