夢物語
 「最……低!」


 そうは言いつつも、高橋冴香に指輪を投げつけるだけで満足を感じた私は、何も言わずに体育館を出た。


 先ほどまでは曇っていたはずが、体育館の中にいるうちに晴れて青空に変わっていた。


 すがすがしい冬の朝を迎えることができて、私は深呼吸して敷地の外に出る。


 バスや地下鉄の乗り換えが面倒に感じられたため、帰りはタクシーを拾って帰路についた。
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