夢物語
 ファミリーレストランに入り、店員に席へと案内された。


 椅子は四つあるけれど、すいているこの時間帯はおおむね二人で訪れた客専用。


 西本くんは私の向かいに座り、雨に濡れたパーカーを脱ぎ、髪の毛についた雫を払う。


 そして財布とスマホをテーブルの上に置き、スマホの画面をちらっと確認。


 彼女からの連絡をチェックしているのだろう。


 「高橋さんは何か食べてきましたか? 軽く何か食べますか?」


 「う、うん。フライドポテトとドリンクバーくらいでいいかな」


 「じゃ自分は、夕食何も食べていないので、パスタ注文します」


 オーダーを済ませ、各自ドリンクを取りに行き、着席。


 そろそろ話も本題に入るタイミングだ。


 「さっきの続きなんですが、ちょうど高橋さんが試合に入っている最中、次の試合のオーダーを提出するように本部から指示があったんですよ」


 「予選の最中ね。タイムテーブルが詰まっていて、私が試合を終える前にもう次の試合のオーダーが提出されていた時」


 「はい。その際高橋さん抜きでオーダーの相談をしたんですが、賢人が一言、次の相手は強いから俺が二回エントリーでもしない限りは勝利は厳しい、みたいな発言を」


 「えっ、バカじゃないの」
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