異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
「桜庭セリ、いや、那由多の巫女。結婚して欲しい!」

公開プロポーズぅぅぅ!?
うぎゃーー提督さんのバカー!!
恥ずかしくて心停止するわっ!!
口から心臓が飛び出そうな私の手を握り、もうぐいぐい迫ってくる提督さん。

「お、落ち着いて!逃げませんからどうか、落ち着きましょう!!」

「これが落ち着いていられるか!今ここで返事をしてくれ。那由多の全員に君が、セリがオレのものだと証明してやる!」

ちょっと、提督さんってこんな人だった?
めちゃくちゃ独占欲強くない?
………私、これ、大丈夫!?

「あの、ええと……えへへ」

とりあえず笑ってごまかそう!
そんな私に提督さんは、ニヤリと意味深に笑った。

「いいのか?今、放送中なんだが……」

そこまで言うと、私の耳元に唇を寄せ極小さな声で………。

「初めて会った夜のあんなことやこんなこと。オレは君の全てを見ているんだが、それをここで暴露しても??」

「結婚します」

即答です。
バラされてたまるか、黒歴史。

「ありがとう!……那由多の諸君、聞いたな?この船の全員が証人だ。これより、セリに手を出すこと、又は、みだりに話かけることを禁ずる!特に満12歳以上の男は近寄るな。彼女が私のものだということを常に覚えておくように!以上!」

ブツッ……………。
艦内放送は終了した………。
私は、目の前のにやけた笑みのイケメンを呆然と見ている。
本来涼やかな目元も、すっかり下がって優しくなり、真一文字に結ばれている口許も緩みっぱなし。
精悍な顔が勿体無い。
とは思ったけど、そういう所も……好きだと思う。

「提督さん」

「ん?」

ニヤけたイケメンは、更に表情をくずし、こちらを見る。

「あ、愛してますっ」

まだ言ってなかったな、と、私は生まれて初めての愛の告白なるものをした。
それは、ずっと言うことのない言葉だと思っていたもの。
縁のない言葉だと。
だけど、世界はまるごと変わった。
終わりの見える世界であったとしても、私は生きたいように自由に生きる!
大好きな人と一緒に!!



と、いいことを言って終わったつもりの私は、その後、提督さんの腕の中で酸欠になるんだけど。

………もうお約束よね?

ーENDー
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