お嬢様。この私が、“悪役令嬢”にして差し上げます。
「サーシャ様。せっかくですから、私たちもバイキングに行きませんか?」
にこり、と笑ったモニカ。
美味しそうな匂いにつられ、ぐるり、と会場を見渡すと、各テーブルには紅茶のポットやシャンパンの瓶が置かれており、足りなくなった分を城の給仕係が補充するシステムらしい。
そして、バイキングで料理を取ったゲストは好きなテーブルに移動してお話を楽しんでいて、まさに、ツテのための顔合わせ、と言った感じだ。
(ヴィクトル王子の婚約者であるサーシャの立場なら、自分から声をかけてお話をするべきなんだろうけど…)
きっと、ヘタに貴族たちに挨拶をしてもボロが出る。
それならいっそのこと、アレンが戻ってくるまではパーティーを楽しむことに精を尽くした方がいい。
「あっ、サーシャさん!デザートもたくさんありますよ!」
「わぁっ…!ここは天国なのかしら!」
ーーと。
早くもバイキングをお腹いっぱい食べることに目的を変え、皿を手にして豪華な料理を取ろうとした、その時だった。