お嬢様。この私が、“悪役令嬢”にして差し上げます。
数分前の敵意は何処へやら。にこにこと笑う令嬢達。
私は、つい、感極まって彼女達の手を取った。
「ありがとう…!まさか、こんなサプライズを用意してくれるなんて…!さっきは、ごめんなさい。私も言いすぎたわ。」
『ふふっ…!お礼なんていらないわよ。私たちの気持ちですから。』
(なあんだ!実はこの人たち、すごくいい人じゃない…!)
サーシャをいじめた令嬢達を懲らしめに来たつもりだったが、もうその必要はないらしい。心を入れ替えて反省してくれているなら、サーシャ本人にももう危害は加えないだろう。
なんたって、わざわざお詫びの品まで用意して謝ってくれたんだから。
「フォークはこちらですわ。」
「あ!ありがとう!いただきます…!」
ーーと。
ふわふわのホイップにフォークを刺し、苺のソースがたっぷり染み込んだスポンジを口に運んだ、その時だった。
(っ!!!!!!!)
舌に走る激痛。
次の瞬間。人目をはばかる余裕もない私の叫びが、会場に響き渡った。
「かっ!からーーーーーいっ??!!!!」