お嬢様。この私が、“悪役令嬢”にして差し上げます。

数分前の敵意は何処へやら。にこにこと笑う令嬢達。

私は、つい、感極まって彼女達の手を取った。


「ありがとう…!まさか、こんなサプライズを用意してくれるなんて…!さっきは、ごめんなさい。私も言いすぎたわ。」


『ふふっ…!お礼なんていらないわよ。私たちの気持ちですから。』


(なあんだ!実はこの人たち、すごくいい人じゃない…!)


サーシャをいじめた令嬢達を懲らしめに来たつもりだったが、もうその必要はないらしい。心を入れ替えて反省してくれているなら、サーシャ本人にももう危害は加えないだろう。

なんたって、わざわざお詫びの品まで用意して謝ってくれたんだから。


「フォークはこちらですわ。」


「あ!ありがとう!いただきます…!」


ーーと。

ふわふわのホイップにフォークを刺し、苺のソースがたっぷり染み込んだスポンジを口に運んだ、その時だった。


(っ!!!!!!!)


舌に走る激痛。

次の瞬間。人目をはばかる余裕もない私の叫びが、会場に響き渡った。


「かっ!からーーーーーいっ??!!!!」

< 26 / 164 >

この作品をシェア

pagetop