お嬢様。この私が、“悪役令嬢”にして差し上げます。
やっと、分かった。
令嬢達の企みは、初めから私に言いがかりをつけさせること。
そして、罠に気付いてトラブルになった現場をわざと周りのゲスト達に見せつける。
まるで、私が悪役で、彼女達をいじめているように。
「お嬢様!何の騒ぎです…!?」
人混みをかき分けるようにやって来たのはアレンだ。
状況を把握しきれない彼に、一部始終を見ていたモニカが焦ったように告げる。
「えっと…!あの令嬢達がごめんなさいって声をかけて来て…!もらったケーキが赤くって…!怒ったサーシャ様をはめようとして…っ!」
動揺しすぎて文がめちゃくちゃなモニカ。
手袋を外し、ぺろり、とソースを舐めたアレンは、眉を寄せて低く唸る。
「タバスコ…?ケーキにかけるなんて、お嬢様は舌がバカなんですか?」
「っち、違うわよっ!!あの令嬢たちに苺のソースに見せかけられたの!!」
すると、令嬢達は芝居掛かった悲しみの表情で眉を下げる。
『まぁっ…!私達のせいになさるのですか…っ!証拠はどこにもありませんのに…!』
『騒ぎを大きくして恥をかかせるなんて、ひどいですわ…っ!』