お嬢様。この私が、“悪役令嬢”にして差し上げます。
と、その時。
ふと、応接室に案内していた彼の姿が頭をよぎる。危うく、すっかり忘れてしまうところだった。
「…あ!そうだ、アレン。一人、応接室に通したお客さんがいるの。」
「お客さん?」
「うん。町で偶然会って、ウチに用事があるっていうから案内してきたんだけど…」
彼らと共に応接室へ戻る私。
と、メロンを抱きかかえたアレンが扉を開けたその時。こちらに視線を向けたコートの彼が、ローズピンクの瞳を大きく見開いた。
同時に、薔薇色の瞳を輝かせたダンレッドが、ぱぁっ!とワンコのような笑みで声を上げる。
「メル…!やっぱり来てくれたんだね!!会いたかったよ!!!」
(え…っ!!)
“メル”
そう呼ばれた彼は、ソファに駆け寄るダンレッドを「ちょっと…っ、距離感馬鹿…」とあしらっている。
(メルさんって、この男の人のことだったんだ…!!)
てっきり相手は女性だと思い込んでいた私は、再会に、嬉しさ百二十パーセント、といった様子のダンレッドを見つめ、ぱちぱちと瞬きをしていた。