お嬢様。この私が、“悪役令嬢”にして差し上げます。


するとその時。

大きな白い箱を抱え広間にやって来たルコットが、満面の笑みを浮かべてこちらに駆け寄った。


「ニナ様!みてください!お荷物が届いていますよ!」


(え…っ?)


目を見開く一同。

箱を受け取った私は、包装紙を丁寧に剥がし、リボンを解いた。

すると、中に入っていたのはオレンジのドレスだ。綺麗な刺繍に、ふんわりとしたベール。キラキラとしたラメが散りばめられたドレスに、言葉が出ない。


「これ、一体、誰から…?!」


「差し出し人は分からないのですが、先程、屋敷に届いたんです。きっと、今夜の舞踏会用に誰かが用意してくださったのかもしれません。」


嬉しそうに声のトーンを上げるルコットに、アレンが腕を組んで呟いた。


「今夜が舞踏会だと知っている人からだとすれば、ヴィクトル王子からでしょうか?サーシャ様に贈ったのだとすれば合点が合います。」


しかし、それを聞いていたダンレッドが、ニヤリと笑みを浮かべてアレンに続ける。


「いや、差し出し人が不明なんだろ?きっと、メルだよ!メルってば、冷たいことを言った手前、素直になれなくて匿名でプレゼントをよこしたんだ!俺の相棒は、実はめちゃくちゃ優しいからさ!」


(メルさんが…?)

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