闇に溺れた天使にキスを。



『だからとにかく、ひとりで来ちゃダメだよ。
ちゃんと迎えに乗ってきてね』

「わ、わかった……」


迎えに乗る、ということはバイクか車かなのだろうか。


とりあえず返事をして、それから神田くんとまだ話をして。

気づけば1時間目が終わろうとしていた。


「……あっ、いけない。
神田くん、1時間目が終わっちゃうや」


私の中では1時間目に保健室に行くフリをし、少しマシになった程で2時間目には戻ろうという悪知恵を働かせていた。

それに2時間目からはここを利用する人もいるだろうから、電話ができる場所がおそらくないだろう。


『もう?白野さんといたら、時間の感覚がわからなくなるなぁ』

「そ、それは私もだよ」

神田くんといると、時間が一瞬で過ぎてしまう。


『じゃあまた後で。
白野さんと会えるって思うと、頑張れる』

「私も授業、頑張って受けられそうだよ」


授業が終われば神田くんと会えるって考えたら、きっと一瞬で時間が経つことだろう。

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