闇に溺れた天使にキスを。



諦めて、大人しくふたりについていき、やってきたのは裏門だった。

そこには車が一台停まってあり、嫌な予感がする。


慌てて周りを見渡したけれど、他に車は停まっていない。
つまり神田くんが言う“迎え”が、まだきていないのだ。


絶体絶命の大ピンチ。

「あ、あのっ…助けてください」


こうなればもう、最終手段はただひとつ。
目の前にいるふたりに助けを求めるのみ。

これが最後の願いだったのだけれど───


「お前、総長に会えるんだぞ?
嬉しくないのか?」

「あ、えと…私、あの……」

「怖がる必要はねぇよ。俺たちの仲間はみんな、むやみに人を傷つけることなんてしねぇから」


金色の髪を輝かせている足立先輩が、そんなことを言うけれど。

無理だ、怖いに決まっている。


しかしふたりは、そんな私の気持ちを読み取ってはくれず、後部座席に座らされた。

さらにはふたりに挟まれるような形で。

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