闇に溺れた天使にキスを。



「で、でもまだ、ふたりは高校生だよ…?」

成人もしていない、未成年だというのに。
若頭もその補佐も、すごく危ない位だということはわかる。


「歳は関係ねぇ。強い奴が上に立つ。
不服があるやつがいるなら認めさせればいい。

実際そうしてるから今、この位に俺たちはついてる」


真剣に語る涼雅くんの瞳には、光が宿っており。
野生的に見えて、少し怖いと思ってしまった。


「まあただ、経験が少ないのは本当だから。
組長の命令で俺たちは族を結成した。

つっても、もともとあった族を乗っ取ったようなもんだけど、一応仲間も増えてるし結果オーライだな」


経験を重ねるため、ふたりは総長と副総長をやっている?
つまりふたりにとって暴走族とはただの───


踏み台、なのだろうか。



あの優しい神田くんが。
たまにすごく甘くなって、意地悪になる神田くんが。

いつか組長になる。


想像できなくて、信じられなくて。
嘘であってほしいと思った。


「……まだ信じてない顔してる」


その感情が顔に出ていたらしく、涼雅くんに指摘されてしまう。


「だって、もし本当だったとしたら、それはとても危険な場所で生きてるってことだよね…?」


ヤクザは死と隣り合わせの世界な気がして、そう思うと怖い。

< 226 / 530 >

この作品をシェア

pagetop