闇に溺れた天使にキスを。
「で、でもまだ、ふたりは高校生だよ…?」
成人もしていない、未成年だというのに。
若頭もその補佐も、すごく危ない位だということはわかる。
「歳は関係ねぇ。強い奴が上に立つ。
不服があるやつがいるなら認めさせればいい。
実際そうしてるから今、この位に俺たちはついてる」
真剣に語る涼雅くんの瞳には、光が宿っており。
野生的に見えて、少し怖いと思ってしまった。
「まあただ、経験が少ないのは本当だから。
組長の命令で俺たちは族を結成した。
つっても、もともとあった族を乗っ取ったようなもんだけど、一応仲間も増えてるし結果オーライだな」
経験を重ねるため、ふたりは総長と副総長をやっている?
つまりふたりにとって暴走族とはただの───
踏み台、なのだろうか。
あの優しい神田くんが。
たまにすごく甘くなって、意地悪になる神田くんが。
いつか組長になる。
想像できなくて、信じられなくて。
嘘であってほしいと思った。
「……まだ信じてない顔してる」
その感情が顔に出ていたらしく、涼雅くんに指摘されてしまう。
「だって、もし本当だったとしたら、それはとても危険な場所で生きてるってことだよね…?」
ヤクザは死と隣り合わせの世界な気がして、そう思うと怖い。