闇に溺れた天使にキスを。



体は楽になったけれど、今度はドキドキと胸がうるさく鳴り始め。

体力勝負から、精神的な勝負へと変わる。


「小さいね、白野さんは」
「か、神田くんが高いから小さく見えるの」

「いや、それでも白野さんは小さいよ」


そこまで低くはない。
身長も、女子の平均を少し下回るくらいだ。


「いいもんね、ヒールとか履いたらすごく高くなるし大きく見えるから」

「ヒールとか履くの?」
「……履かない、けど」


あまり高い靴が得意ではない私。
歩くとすぐ靴擦れし、足を痛めてしまう。

オシャレは我慢と言うけれど、私は我慢ができないため、履けて高さが3センチくらいの靴だ。



「そっか」

神田くんが少し残念な言い方をするから、不安になったため、聞いてみることにした。


「ヒールとか履いている人のほうが好き、なの…?」


背が高くて、手足が長くて。
スタイル抜群な上に綺麗な女の人を思い浮かべる。

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