闇に溺れた天使にキスを。
「ありがとう、沙月ちゃん。
行ってくる…!」
どうしても心配だったから、私は保健室に行くことにした。
けれど、いざ保健室の前に立つとどうすればいいのかわからなくて。
数分ほどドアの前で突っ立っていた私。
大きく深呼吸をして、ドアに手をかける。
勢いでいかないとダメだと思ったから。
思い切って保健室のドアを開けた。
もちろん静かに、なるべく大きな音を立てないよう。
「…………」
中はひどく静かで、思わず息を止める。
入ってすぐにあるソファには誰もおらず、保健室の先生もいなかった。
そしてゆっくりベッドのほうに視線を向ける。
するとそこには…。
「……っ」
背中をこちらに向けて、ベッドに腰をおろしている神田くんの姿があった。
しかも上半身裸で、筋肉質な背中が見える。
思わず目を逸らそうとしたけれど───