耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
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濃い緑の葉を繁らせた木々を見上げながら遊歩道をゆっくりと進む。
池の水面(みなも)を風が揺らし、太陽の光がきらきらと反射する。
(気持ちいい……)
ライトグリーンのギンガムチェックのワンピースの裾を揺らしながら、弾むように歩く。
美寧は足を進めるごとに、自分の気分が上がっていくのを感じていた。
正午までまだ二時間ほどあるというのに、照りつける陽射しは真夏を思わせるようなきつさだ。帽子や日傘などのUV対策を一切してない美寧の頭に、容赦ない日差しが照りつけていた。
公園を抜けるとすぐに商店街のアーケードが見えた。
(れいちゃんが言ってたのはココなのね。)
アーケードが陽射しから美寧を守り、ひと心地つく。
初めての商店街に好奇心いっぱいの美寧は、キョロキョロと辺りを見回しながら足を進めた。
「あっ。」
目に入ったのは一件の文房具店。
【やなせ文具】と看板に書かれた店のガラスの向こうに、ノートや鉛筆などの文具が並べられているのが見える。
吸い寄せられるように店に近寄ると、センサーが反応したのか、自動ドアが開いた。
「いらっしゃいませ。」
奥から店員の女性が声を掛ける。美寧は店に足を踏み入れた。