耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー


物思いに耽りながら商店街を歩いていると、視界の端に白いものが過ぎった。
本通りの脇に伸びる路地の方に目を遣る。
電信柱の陰に白い尻尾が見えた。

「猫!」

反射的に身を翻した。

アーケードから路地に入り、尻尾の主を追う。
近付いた美寧に気付いた猫は、テテテッと細い路地を駆け出した。

「あ、待って。」

声を掛けながら猫を追う。猫は跳ねるように路地の突き当りの道を曲がった。

< 114 / 353 >

この作品をシェア

pagetop