耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー

目に映ったその男性は、まさに“色気のある大人の男性”。
口と顎には短く整えられたひげ。落ち着いた茶色い髪を右側に髪を盛って長く伸ばし、サイドは短くすっきりとしている。
怜よりは幾分年上に見えた。

彼は垂れ気味のくっきりとした二重の瞳でじっと美寧を見つめた後、厚めの唇を開いた。

「背中に乗るのが無理なら、もう救急車を呼ぶしかないな。」

「きゅ…救急車……」

それは困る。
救急車などに乗せられた暁には、きっともうここには戻れない。

美寧はおずおずと目の前の背中に体を預けた。


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