耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
「でも良かったよ、美寧を雇って。」
「本当ですか?」
思いがけないマスターの言葉に、美寧は目を丸くした。
「ああ。素直で可愛い美寧に常連さん達も喜んでいるし、新たな客も増えつつあるしな。それに今日みたいにお客が多い時は、俺一人だけでは厳しい。美寧が一生懸命頑張ってくれて助かっているよ。」
「あ…ありがとうございます。」
思いもかけないマスターの言葉に、美寧は喜びのあまり頬を上気させた。
するとマスターは、突然何かを思い出したように「くくっ」と笑う。
「??」
小首を傾げて不思議そうにしている彼女に、マスターは笑いを噛み殺しながら口を開いた。
「あの次の日に、お前が“保護者”を伴ってここに来た時のことを思い出して、な。」
「ぁ……」
その時のことを思い出して顔を赤くした美寧に、マスターはまた笑った。