耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー

それから美寧は、いつものように濡れた髪を怜に乾かしてもらった。

「ありがとう。」

きちんとブロウされた長い髪は、絡まることなくサラサラと腰に落ちている。

「結んでおかなくて暑くないですか?」

「へいき。エアコン効いてるし。」

美寧は自分の髪を全然扱えない。ドライヤーもそうだが、結ぶことも、だ。
一つ結び一つ出来ない美寧は、ここに住み始めた当初、怜に「長い髪を短く切りたい」と打ち明けた。自分では何一つまともに出来ないことが情けなくて堪らなかったからだ。

けれど怜はやんわりとそれを押し留めた。

『短くするのはいつでもできますよ。それよりも少しずつ練習してみたらどうですか?』

そう提案した怜は、美寧にやり方を教えながらも結局はほとんど彼がやってしまう。
ラプワールにアルバイトに行く日は必ず彼が髪をまとめてくれるのだ。彼がしてくれる髪型は多様で、マスターや常連さんからの評判も良い。三つ編みや編み込みなどを使ってまとめ髪にしてくれるのがほとんどで、美寧は自分の頭がどんなふうに作られているのか見当もつかないくらいだ。

とはいえ、美寧も一か月以上努力の甲斐あって、後ろで一つにくくるくらいのことは出来るようになった。三つ編みはまだほど遠いけれど―――。

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