耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
「れいちゃん……?」

戸惑いながら見上げた顔は、いつもながら恐ろしいほど整っている。
じっと美寧を見つめる切れ長の瞳は、一見すると冷たそうに見えるけれど、そこには明らかな熱が宿っているように見えた。

「俺は、約束を守れましたよね?」

「え?やくそく?」

「はい」

さっきとは全然脈略のない怜の台詞に、美寧は長い睫毛をしばたかせる。

「ミネ以外には料理を作りません」

「あ、」

「今日のたこ焼きは、俺が全部を作ったわけではないのでセーフでしょうか?」

こくこくと、美寧が必死に頭を縦に振る。
久しぶりに会う友人をもてなす為の夕飯がたこ焼きだったのは、高柳の意見もあったのかもしれないが、以前の美寧との約束も理由の一つなのだと気付いたのだ。

「ミネも約束、守ってくださいね」

美寧を見下ろす怜の瞳が濡れたように光る。こういう時の怜が次にすることを、美寧はいつしか覚えてしまっていた。

「れ、れいちゃん…あの……お客様、いるから…」

「しっ。黙って」

短くそう囁くと、怜は美寧の唇を素早く塞いだ。

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