耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
外された手が背中に回り、そっと柔らかく抱きこまれた。

「前にも言いましたよね?」

長い腕と柔らかな声が、美寧を包み込む。

「泣きたい時は泣いていいんです。見られたくないなら、俺がずっとこうしています」

その言葉に美寧の胸の奥が熱くなり、溜まっていた雫がとうとう瞳から溢れ出した。

「うぅっ……」

次々とこぼれ落ちる涙と一緒に、美寧の嗚咽もこぼれ落ちる。
しゃくりあげながら泣く美寧。その震える背中を、怜は何も言わずただ撫で続ける。

「ごめん、な、さいっ……、なんの、や、くにも…っ立てなくて……だまって…いなく、なって………」

意味の分からない言葉を、怜はただ黙って受け止める。

「ほん…とは、ここにいちゃ、ダメっ……でもっ……」

美寧が怜の胸元のシャツをギュッと強く握る。

「でも……もう、いやなのっ、……一人ぼっちは、もう…いや………もどりたく、ない……れいちゃんといたいっ!」

短い悲鳴のような声を上げた美寧。その小さな体を怜の腕がきつく抱きしめる。
美寧はしばらくの間、怜の体にしがみ付いてわんわんと泣いた。


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