耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
すんすんと鼻を動かしている怜に、美寧は思わず訊ねた。
「……どうしたの?なんか変な匂いでもする?」
ちゃんと髪は洗ったのだけど、と少し心配になる。
「変な匂いなんてしませんよ?ミネの匂いだけです」
「私の匂い?」
思わず体の横に垂れる癖のある髪をひと房掴んで、自分の鼻に持ってくる。
特に変わった匂いはしない。シャンプーの匂いだけだ。
「何もしないよ?」
「そうですか?自分では分からないものかもしれませんね」
そんなものなのかな、と思って美寧も怜の匂いを嗅いでみた。
怜の耳下の首筋に顔を寄せて、怜がしたようにすんすんと鼻を動かす。ふんわりと怜の香りがした。
「れいちゃん、いい匂い……」
怜も入浴を済ませているから美寧と同じシャンプーやボディソープの香りしかしないはずなのに、なぜかそれとは別の香りがする。
ベルガモットのようなエレガントな香りとムスクのような少しの甘さ。
香水を使わない彼からは、不思議といつもそんな香りがしていた。
うっとりと瞳を閉じて、彼の香りにしばし酔いしれる。
「ミネの香りも甘くていい匂いです。ピオニーのような優しい花の香りに似ています」
『妖精が姿を変えた花』と言われるピオニーの日本名は【芍薬】。
そんな素敵な花の香りなんて自分には全然分からない。
もう一度嗅いでみようと思った時、耳のすぐそばから低い声が囁いた。
「カモミールのような甘い香りもします」
(それはこのカップからの香りじゃ………)
確かめてみようと思った美寧が、ローテーブルのマグカップに手を伸ばした瞬間。
美寧の耳を怜がペロリと舐めた。
「うみゃっ!」
「味はカモミールではありませんね」
まるで料理の味見をした時のように平然とそう言った怜。
美寧の体がみるみるつま先から赤くなっていく。
「……どうしたの?なんか変な匂いでもする?」
ちゃんと髪は洗ったのだけど、と少し心配になる。
「変な匂いなんてしませんよ?ミネの匂いだけです」
「私の匂い?」
思わず体の横に垂れる癖のある髪をひと房掴んで、自分の鼻に持ってくる。
特に変わった匂いはしない。シャンプーの匂いだけだ。
「何もしないよ?」
「そうですか?自分では分からないものかもしれませんね」
そんなものなのかな、と思って美寧も怜の匂いを嗅いでみた。
怜の耳下の首筋に顔を寄せて、怜がしたようにすんすんと鼻を動かす。ふんわりと怜の香りがした。
「れいちゃん、いい匂い……」
怜も入浴を済ませているから美寧と同じシャンプーやボディソープの香りしかしないはずなのに、なぜかそれとは別の香りがする。
ベルガモットのようなエレガントな香りとムスクのような少しの甘さ。
香水を使わない彼からは、不思議といつもそんな香りがしていた。
うっとりと瞳を閉じて、彼の香りにしばし酔いしれる。
「ミネの香りも甘くていい匂いです。ピオニーのような優しい花の香りに似ています」
『妖精が姿を変えた花』と言われるピオニーの日本名は【芍薬】。
そんな素敵な花の香りなんて自分には全然分からない。
もう一度嗅いでみようと思った時、耳のすぐそばから低い声が囁いた。
「カモミールのような甘い香りもします」
(それはこのカップからの香りじゃ………)
確かめてみようと思った美寧が、ローテーブルのマグカップに手を伸ばした瞬間。
美寧の耳を怜がペロリと舐めた。
「うみゃっ!」
「味はカモミールではありませんね」
まるで料理の味見をした時のように平然とそう言った怜。
美寧の体がみるみるつま先から赤くなっていく。