耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
「~~~っ!」
怜は、美寧の手首を掴んだまま口に入れたものを咀嚼している。伏せた瞳の長い睫毛が頬に影を作っている。
美寧は固唾を呑んでその姿を見つめ続けていた。
「―――甘い」
「え?」
「甘いですね。」
言いながら顔を上げた怜の額には、眉間にしわが寄っている。
「自分で作っておいて言うのもなんですが、甘すぎて俺にはこれ以上無理です。」
美寧は目を瞬かせた。怜の表情からそれが嘘偽りではないことが分かる。本当にこれ以上は無理そうだ。
(じゃあ、なんで―――)
自分に『食べさせて』と言ったのだろう。それ以前にこのパンケーキは半分怜のものではなかったのか。
美寧の頭の中に一気に色々な疑問が渦巻いた。