耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
「れ…れいちゃんっ、」
「いやですか?」
そう問いかける怜の顔まで十センチほどしかない。ため息が出るほど綺麗な顔が目前で自分を見下ろしている。その瞳の奥に、かすかに揺れる怜の感情が見えた気がする。
美寧は黙って首を左右に振った。
次の瞬間、怜が言った。
「―――良かった。」
花がほころぶような笑顔だった。
普段からあまり表情を大きく崩すことのない怜のその笑顔に、美寧は息を呑んだ。
心臓を銛か杭のようなもので打たれたような、直接手で鷲掴みにされたような、そんな衝撃に息が詰まる。
「ミネ」
自分の名前が耳の中にダイレクトに響く。甘く掠れた声に、首を竦めると
「好きだよ」
さらにそう注ぎ込まれて、きゅん、と心臓が音を立てた。