耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
(また私、こどもっぽいことしてる……)
自分の取った子どもじみた行動が、怜を呆れさせたかもしれないと、美寧は慌てる。
十も年上の怜に対する乙女心ではあるが、美寧にはその自覚はない。
美寧はおずおずと怜の方へ顔を向けた。
怜は目を瞠った。
自分の方を向いた美寧は、白い肌を赤く染め、大きな瞳を潤ませている。
その姿はいつもの“可愛らしい子猫”のものではなく、“色香に満ちた女性”のものだった。
予想を超えた美寧の魅力に動きを止めていた怜の、胸元をきゅっと何かが掴む。美寧の手だ。
「わ…わたしでいいの?」
恐る恐るというように上目使いで見上げる美寧に見惚れて、怜は一瞬彼女が何を訊ねているのかピンと来なかった。
けれど、美寧の次の言葉にハッとなる。
「私みたいな、こどもで…れいちゃんはいいの?」
頼りなさげに揺れる瞳に、怜は美寧の不安を感じ取った。そして彼女を不安にさせているのが自分なのだと気付く。