耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
(何を訊いているんだろう?)
そう思った。
さっきから怜は美寧に断りなどなく好き放題キスしているのに、今更どうしてそんなことを訊くのかさっぱり分からない。
大きな瞳を丸くして、小さな唇を少しだけ開けたまま、ぽかんとした顔で自分を見上げる美寧に、怜は男性らしい真横に伸びた眉を少しだけ下げ、彼女の頬に当てていた手の親指でそっとその唇をなぞった。
美寧は、怜の細くて長い指が自分の唇をなぞっていく感触で、初めて怜の意図するところに気が付いた。
一瞬で発火したかのように体が熱くなる。
なんて答えていいか分からない。
さっきも訊かれたが、“いやではない”。けれど“キスしていい”と答えるのとは違う。
それを答えるより先に、怜に答えなければならないことがあるはずだ。