転生令嬢は小食王子のお食事係
「そうなのですか。では、一緒に参りましょう。できれば先触れをしておいた方がいいのですが……」
「それは難しいかもしれません」
 私の言葉にマリオンが表情を曇らせる。
「今日も入り用なものを揃えに本館に行ったのです。王妃宮であれば早朝から慌ただしく働いているものですが、その様子がまったくなく、お昼前にもう一度行ってみると数名おりましたが、使用人の控え室で遊戯にふけっていましたよ。私が質問すると渋々教えてくれるという状態で……」
 マリオンは「ここは一体どうなっているんでしょうか!」と憤慨した様子だ。
「そんなことになっていたのですね。でもこちらが礼を尽くさないというのはダメです。念のため先触れはしましょう。マリオン、申し訳ないですがお願いできますか?」
「かしこまりました」
 先触れはマリオンに任せ、私とエマは再び離れの厨房にこもる。昼食の片づけを済ませてから、また新しい料理の準備に入る。時間があるうちに夕食の下ごしらえを進めておくのだ。
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