転生令嬢は小食王子のお食事係
* * *

 昨日も通った王子宮の中を進む。
 相変わらず人(ひと)気(け)がなく、そして、隅の方は埃が残っていた。
 ……本当に大丈夫なのかしら、ここは……。
 正直、社交シーズン中のマナーハウスのほうがきれいだと思う。
 マナーハウスとは、領地を持つ貴族が一年の半分を過ごしている領地にある館のことだ。そういった貴族は、社交シーズンになると王都にあるタウンハウスに住んで、王宮に出仕したり、お茶会やパーティーに参加したりする。
 マナーハウスにもタウンハウスにも、使わない間も使用人が在駐していて、掃除などを行ってくれている。
 主人一家が使用するシーズン中ほどではないが、それでも割とまめにメンテナンスをしてくれていると聞いていた。
 まさか王子宮がそれにも劣るようなずさんな管理状態だとは予想もしていなかった。
 使用人は主人を映す鏡とも言われるが、第二王子は本当に大丈夫なんだろうかと不安になる。
 忙しくて使用人を管理できないのかもしれないが、貴族ならやらねばならないことだ。
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