転生令嬢は小食王子のお食事係


「きれいになりましたね!」
 埃が払われ、空気も入れ換えた厨房は見違えるようだった。
「これで明日から使用するのも問題ないでしょう」
 そう言ったマリオンの表情には達成感がにじんでいる。
「コンロも薪釜も使えそうで安心しました」
 微笑みながら話すエマの頬には煤がついていた。
 私のお目当てだった薪釜も一度火入れをしてみた。
 長いこと放置されていただろう薪釜。
 取り出し口にある半円の鋳物の蓋を開けるときはドキドキした。なぜならエマが『ねずみのすみかになってないといいんですけどねー』なんて言うから!
 開けるときは、エマの背中に張りつくようにして、彼女が開ける後ろからおっかなびっくり覗き込んだ。
 幸いにもネズミはいなかったが、煤と埃がすごかった。
 そのため、薪をくべて一度燃やし、それから灰を掻き出すという作業をした。
 エマが本当に頑張ってくれたのだ。
 そうそう悪くなるものではないが、薪釜が問題なく使える状態になった。
「これで明日からたくさん料理が作れますね!」
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