転生令嬢は小食王子のお食事係







「なんかすっげぇいい匂いするんだけど」
 そう言いながらやってきたのは先日会ったテオだった。
「こんにちわ、テオ。薪釜を試し焼きでピザを作ったんです」
「ぴざ?」
「ええ、こちらの料理です」
 私が手で示してみせると、テオはピザに視線を向ける。
「……初めて見る料理だけど、めちゃくちゃおいしそう」
「ふふ、ひと切れ食べてみますか?」
「いいのか?」
「試し焼きですし、冷めるとおいしくなくなっちゃいますから」
「……じゃあ、せっかくだし」
 そういってテオはピザをひと切れ手に取る。
 エマの食べ方をまねして、三角の先端から齧りついた。
「……!」
 頬張った瞬間、テオの目が見開かれる。一瞬ピタリと止まるも、すぐにもぐもぐと口を動かしはじめた。
 もうその反応で察する。
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