転生令嬢は小食王子のお食事係
 鉄板を置くのはその火から離れた場所。
 あまり近すぎると火力が強くて、表面だけ焦げてしまうので注意が必要だ。
 エマに鉄板を薪釜の中に入れてもらうと、あとは焼き上がりを待つだけだ。
 バターが溶ける魅力的な匂いが厨房に広がる。
「はぁ、クッキー楽しみですね……!」
 待ちきれないのか、エマは薪釜の取り出し口の前でクッキーが焼き上がる様子を見ている。
 そんなところにいて熱くないのかなと思うが、熱さよりも食欲の方が勝るのだろう。
 私はエマがクッキーを見ている間に、次のお菓子を作る準備をしておこう。
 もうひとつのメニューはマフィンだ。
 パンのようなイングリッシュ・マフィンではなく、カップケーキ状のものである。
 材料はクッキーとあまり変わらないが、マフィンには牛乳も使う。
 作り方もクッキーとよく似ている。
 まずは室温に戻したバターをクリーム状にし、砂糖と入れて混ぜる。白っぽくなるまで混ぜたら溶き卵を数回に分けて加え、その都度しっかり混ぜていく。
 ここまでは同じだ。
< 184 / 215 >

この作品をシェア

pagetop