転生令嬢は小食王子のお食事係
 なにしろ今私が着ているのは、前世で着ているような動きやすい服ではなく、袖も裾も布地がたっぷり使われたもの。これで料理をしたら、汚れるし、引っかかるし、最悪の場合は引火する。
 だから、エプロンの着用と、袖をまとめるのは必須で、コンロの火の取り扱いはエマにやってもらっている。
 王妃様は、今日私がお菓子を作ったことを知っているが、だからといってそのままの格好では前に出られない。
 エプロンを外し、袖もいつものように直したけれど、おかしなところがないかマリオンに改めてチェックしてもらいたかったのだ。
「お茶の時間がもうすぐですよね? そうしますとお召し替えする時間はなさそうですわね」
 マリオンは真剣な顔をして、私の身体を頭からつま先まで眺めると、テキパキと動き出す。
 まとめていたことで少し皺 ができている袖を直し、背中を編み上げているリボンを整える。
 さらに編み込みをハーフアップにしている髪も櫛で整えていく。
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