転生令嬢は小食王子のお食事係
 王妃様とのお茶会を終えて、部屋に戻りながら私はマリオンと小声で話し合う。
 お茶に向かう時にはまさかこんなことになるとは想像もしなかった。
 できるだけ頑張るつもりではいるが、直接面識のない第二王子の女官になるのはとても不安だ。いくら王妃様が話を通していても、彼女が一緒に行くわけじゃない。行くのは私と側仕えのマリオン。
 そして、まだ確定ではないが、キッチンメイドのエマを加えた少人数の異動になる。
 マリオンとエマはあくまでサポート役で、王子宮でいろいろと取り仕切るのは私の役目。
 王妃様たっての希望で私が行くとしても、王子宮側はそうは思わないかもしれない。
 上と現場の意見が違うなんて、ざらにあることだ。
 それでも頼まれたからには目的を果たさなければ。王妃様の望み通りにはいかないかもしれないけれど、相応の努力は見せるべきだろう。
 ――そのためには、王子宮の厨房を掌握しなくてはね!!
 不安は大きいけれど、思いっきり料理ができるチャンスかもしれない。
 なにしろ王妃様は、私の料理を気に入って王子宮に行ってほしいと依頼してきたわけだし。ということは、私が料理をしなければはじまらない。
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