転生令嬢は小食王子のお食事係
 王子宮の正面の馬車止めに停車すると、玄関からふたり、人が出てくるのが見えた。彼らは馬車に近づいてくると、ノックの後でドアを開ける。
「お待ちしておりました」
 そう声をかけられ、エマ、マリオン、私の順で馬車を降りる。
「アイリーン様ですね」
「ええ、そうです」
「王妃様からお話は伺っております。私は侍従長のノーマンです。まずはレオナール殿下にお目通りお願いいたします」
「かしこまりました」
 覚悟はしていたが、まずはこの王子宮の主人である第二王子・レオナール様にお会いしないと。
 今回私が王子宮に来た目的は、第二王子にちゃんと食事を食べさせることなのだから本人に会わないことには話にならない。
「それとご滞在は離れをご使用ください。未婚の令嬢が本館に滞在されるのは差し障りがあるかと存じますので」
「お心遣いありがとうございます」
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