転生令嬢は小食王子のお食事係
 王妃様からの依頼でやってきたとはいえ、部外者である私をひとりで執務室に残していいのかな?
 おそらくそうしても大丈夫なように重要な書類は違う場所にあるか、開けられないところにでも隠しているんだろうな。
 私はソファに姿勢を正してしゃんと座ったまま、室内に視線を巡らせる。
 普段は騎士団にいると聞いていたが、執務はここでしてるんだろうか?
 まだ王子とはいえ、彼も自分の領地を与えられているわけだし、その関係の雑務はあるはずだし。
「……それにしても誰も来ない……」
 お茶を入れにくる使用人くらいは来てもおかしくないのに、それもない。
 ずっと姿勢を正したままでいるのもなかなかにつらい。
 静かな空間にひとりでいるため、時間の感覚はあまりないけれど、結構な時間が過ぎたのではないだろうか。
 ノーマンも戻ってくる気配はないし、本当に第二王子と面会できるんだろうか……?
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