転生令嬢は小食王子のお食事係
 そんなことを考えながら本棚に夢中になっていた私は、まさか音もなく忍び寄る影があるなんて気がつきもしなかった。
 突然、私のお腹に手が回り、背中から抱き込まれる。
「ひゃぁっ……!?」
 いきなりのことに私は目を見開いて、おかしな声を上げてしまう。身じろぎしようにもその力が強くて後ろを振り返ることもできない。
 そんな私の耳元に低い声が響く。
「勝手に忍び込んで、悪い子だね」
「えっ……!?」
 忍び込んでない。ちゃんと案内されてきたのだ。
 何を言っているのかと言い返そうと口を開いたが、さわりと動く手の感触に私は口をぱくぱくとさせた。
 私の服の背中のリボンがしゅるりとほどかれたのがわかった。
「何を……!?」
「何って、これを望んで忍び込んだのだろう? 執務室というのは無粋だけど、いつもと趣が違うことを賞して少しだけ相手してあげる」
 そう言うと、彼は背中のレースアップ部分にも手をかける。
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