転生令嬢は小食王子のお食事係
「母上……」
 苦々しく呟くと、彼は手紙から視線を外し、顔を上げた。
「君が来るという話は聞いていたが、今日だったとは思わなかったから、いつもの愛妾目当てのメイドかと思ってしまったよ。すまないね」
「愛妾……!?」
 どんな勘違い!?
 いつものって、こういうことがよくあるってことなの!?
 ええー!!
 第二王子の話に私はものすごく驚いてしまう。
「でも追い返すつもりでいたんだ。僕には特に必要がないからね。でも、母のこの感じは難しいそうだなぁ」
 やれやれとため息を吐いて、彼は私を見つめる。
「仕方ないから、客人として離れに滞在ってことにしておこうか。期間は三ヶ月っていうし、その間は好きにしてていいよ」
「はぁ……」
「わからないことがあれば、ノーマンに言って。基本的に僕はいないから」
「……かしこまりました」
 第二王子は手を軽く振る。話はこれで終わりで退室を促しているのだろう。
 私は釈然としないながらも礼を取る。
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