転生令嬢は小食王子のお食事係
 なんでそんなことをしたのかはわからない。自分の執務室なんだからドアから堂々と入ってくればいいのに……。
 ……って、そんなことはどうでもいい!
「好きにしていいって言われたから、本当に好きにするんだからね!」
 そんなに食べたくなきゃ食べなくていい。王子宮にほとんどいないみたいだけど、まったく帰ってこないというわけじゃなきゃ、久しぶりに帰ってきたときに屋敷中でおいしいそうな匂いがしてたら、食欲もわくでしょう。
 好きにしていい、という範囲は厨房も入っていると自己解釈して、この三ヶ月は思いっきり料理をすることに決めた。
 残してきたフィナンシェがどうなったかはわからないけれど、もし捨ててしまったのなら、後から泣くといい。
 食べ物を粗末にした人は食べ物に泣くのよ!
 支離滅裂ながらも頭の中で第二王子に対する鬱憤を発散させ、私は離れを目指して廊下を進んだ。
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