転生令嬢は小食王子のお食事係
今日も時間が空いた隙に、私は厨房にやってきた。
エマとお菓子を作る約束をしていたのである。何を作るかは決めてなかったので、頭の中では作りたいお菓子を考えながらウキウキとした気分で、地階にある厨房を目指していた。
「お待たせしました、エマ――」
私は厨房に足を踏み入れながら、中にいるエマを呼ぼうとした。しかし、そこにいるのはエマだけじゃなかった。
「ご機嫌よう、アイリーン」
にっこりとした顔でこちらへ振り返ったのは、美しい貴婦人。
「おおお、王妃様……!?」
そう、それは私が現在遣えている主人であるジュリアンナ王妃だった。
「なぜ王妃様が厨房に……!?」
「あら、それはこちらの台詞でしてよ?」
たしかに王妃様が使用人の領域である厨房にいるのもおかしいが、女官の私もここにいるのはおかしい。
そもそも王妃宮に限らず、貴族が住んでいる建物は使用人と主人が使う部屋が明確にわけられている。
そのうちでも地階は完全に使用人の領域だ。地階に入るには使用人専用の通用口を通らなければならないし、それは貴族が使う部屋がある表側にはわからないようにある。
エマとお菓子を作る約束をしていたのである。何を作るかは決めてなかったので、頭の中では作りたいお菓子を考えながらウキウキとした気分で、地階にある厨房を目指していた。
「お待たせしました、エマ――」
私は厨房に足を踏み入れながら、中にいるエマを呼ぼうとした。しかし、そこにいるのはエマだけじゃなかった。
「ご機嫌よう、アイリーン」
にっこりとした顔でこちらへ振り返ったのは、美しい貴婦人。
「おおお、王妃様……!?」
そう、それは私が現在遣えている主人であるジュリアンナ王妃だった。
「なぜ王妃様が厨房に……!?」
「あら、それはこちらの台詞でしてよ?」
たしかに王妃様が使用人の領域である厨房にいるのもおかしいが、女官の私もここにいるのはおかしい。
そもそも王妃宮に限らず、貴族が住んでいる建物は使用人と主人が使う部屋が明確にわけられている。
そのうちでも地階は完全に使用人の領域だ。地階に入るには使用人専用の通用口を通らなければならないし、それは貴族が使う部屋がある表側にはわからないようにある。