ヒロインvs悪役
…嫌だなぁ。


もう泣きたくなんかないのに。

また泣き虫って言われちゃう。



「…私、二人の友達になってもいいの?」


「何言ってるの、もう友達だよ」

「そうだよ」



これは、勘違いじゃないんだよね?

短くなった髪を触る。

…ちゃんと言ってよかった。





よかった。





「…ありがとう、!」


「お礼なんていいよ、それよりもうすぐホームルーム始まるよ!私達先行ってるから姫も早くね!」

「あとで詳しい話、聞かせてねっ」



二人は私と春君を見て、ニヤニヤしながら走って行ってしまった。




…っ!違うのに!!


一気に全身が沸騰したみたいに熱くなる。






「…騒がしい人達だね、君の友達」


春君が呆れたように言う。

友達、か。
…なんかいい響き。




春君には感謝しかないよ。



あの日、屋上に春君がいなかったら。
私はきっと今もずっと自分のいいように勘違いしたままだった。




「春君、ありがとう!」

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