part-time lover


大きな洗面台の鏡の前に2人して立ち、鏡越しに視線を合わせた。

「なんだか明るいと恥ずかしいですね。電気消していいですか」

服を着ていないところなら何度も見られたことがあるのに、自分たちの裸を客観的に見るというのが急に恥ずかしく思えた。

「たしかに。今更な気もするけど、お風呂入るために服を脱ぐって、なんか照れるね」

そう言いながら彼が電気のスイッチを切って、私のTシャツの裾に指をかけた。

「はい、手あげて」

父親に着替えさせられる子供の気持ちと、好きな人に服を脱がされる女性の気持ちとが混ざった感情が渦巻いている。

「自分で脱げますけど…」

そう口で答えつつも、大人しくバンザイのポーズを取った。

「こうしたいから付き合って」

従順な私を見て満足げに、一枚一枚丁寧に服を脱がされる。
電気は消えても差し込む光で鏡に映るシルエットが露わになる。

横目でそれを見ていたたまれないほど気持ちが昂るのがわかった。

身につけているものを全て取られ、私だけが裸になった。

「きれい。先にお湯つかってて。すぐ行くから」

彼の服を脱がすのはどうやら彼のルールではないらしい。
今日は彼の言うままに従うと決めたので、何も言わずバスルームのドアを開いた。

湯気に包まれながら軽くシャワーを浴びて、浴槽の中で隣に彼が来るのを待った。

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