終わる世界で、きみと恋の埋葬
「あすか、絵できた?」

「まだ」

「まだかー」

「でももう動いて大丈夫だよ」

「それは朗報だ」

「お待たせしました」

「いーえ」



「あすかくんあすかくん、見て! なんと! ぬり絵を入手しました!」

「えらい、さすが弟子」

「ありがとうございます師匠、ふたりでやろう」

「うむ。色鉛筆探してくるわ」

「うん」



「あすかあすか、花の名前クイズするから覚えて」

「えっなんで?」

「花は毎年咲くって言うじゃん」

「ああ、この間読んだ本に書いてあったやつね。いいけど、じゃあわたしは星の名前クイズするから覚えてね」

「ええ?」

「大抵の星は毎晩出るでしょ。……ね、あすかくん、わたしだって、きみの名前以外はなくしたくないなーって思うよ」


わたしだって結構寂しがりやなんだからね、と言うと、早口でごめんと言われた。


「俺が悪かった。考えなしだった。ごめん。ほんとごめん。……ごめん、泣くなよ」


あやすように頭を撫でる手があまりに優しくて、ぼろ、とぬるい涙がふた粒転がり落ちる。


「ばか」

「ごめん」

「なんかおもしろいこといってくれたらゆるす」


ひどい無茶振りだなあ、と困ったように笑って、メガーネメガーネ、と言いながら以前と同じく手で丸を作って変顔をしたものだから、耐えきれずに噴き出した。


「あすかくんやっぱりめがねにあわない」

「このやろう」
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