破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします
(まあ、マンゴーにもオプションがあるかもしれないしね)
美容にも効果ありのマンゴー。
その効果がアップしているかもしれないという願望を胸に抱いたところで、ふと、エヴァンにはオプションはないのだろうかと考えた。
実は王子であるザックと、実は男であるノア。
このふたりのように、エヴァンにも何か秘密があるのではと、その横顔を見つめていたら視線がぶつかった。
「なんだ?」
「え? いえ、特にどうということはなくて……」
「ははーん、そうか。ついに隠し切れない俺の魅力に気付き、惚れたのか」
「えええええ。どうしてそんなポジティブなんですか」
いっそ清々しいほどの勘違いっぷりに白目を剥きそうになるアーシェリアス。
真面目に返してしまうと無駄に疲れそうなので「違いますからね?」と一言で誤解を解いてから、店主へ支払いを済ませた。
エヴァンは果物と野菜を詰めた重い箱を軽々持つと、ザックとノアを振り返る。
「アイザック様、そちらも俺がお持ちしましょうか」
「ザックだ。いい、俺が持つ。ひとまずこの大量の荷物を馬車の荷台に運んでいいか?」
エヴァンに人前での呼び方を注意し、アーシェリアスに荷物の確認を取るザック。