破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします
そこに立ってアーシェリアスを見下ろしているのは、宿場町で偶然会った人物。
彼女は優し気な双眸の奥に憐れみを滲ませ微笑んだ。
「こんばんは、アーシェ。また会えるなんて驚いたわ」
「ミア……」
なぜ、ここにミアがいるのかと瞬きを繰り返す。
(こんな偶然ってあるの?)
宿場町だけならまだしも、カリドでも会うとは。
いや、カリドだから会ったのかもしれないと、アーシェリアスはミアがアルバートと旅行中だと語っていたのを思い出した。
「ここに、旅行に来てるの?」
「ええ、そうなの! 愛染の湯というお宿のスイートルームに今日から泊まっているわ」
「そ、そう。アルバート様は……」
「同僚の騎士の方がいたとかで、お話に行っているの」
それはもしやエヴァンのことだろうかと予想し、そうであればどうか面倒なことにならないでと祈る。
なるべく早くミアからも離れようと思い、急いで転がった品物を拾っていく。
するとミアが、少し離れた場所に立つ付き人に待っているように穏やかに告げてから、アーシェリアスの前にしゃがみ込んだ。
「アーシェ、私ね、アルバート様との婚約が決まったの。とても幸せだわ。けれど、あなたは道に這いつくばって……かわいそう」
ミアの言葉は同情というよりも嘲笑う方が近く、アーシェリアスはどんな顔をしたらいいのかわからず、とりあえず笑みを浮かべてみたものの頬が引きつってしまう。
彼女は優し気な双眸の奥に憐れみを滲ませ微笑んだ。
「こんばんは、アーシェ。また会えるなんて驚いたわ」
「ミア……」
なぜ、ここにミアがいるのかと瞬きを繰り返す。
(こんな偶然ってあるの?)
宿場町だけならまだしも、カリドでも会うとは。
いや、カリドだから会ったのかもしれないと、アーシェリアスはミアがアルバートと旅行中だと語っていたのを思い出した。
「ここに、旅行に来てるの?」
「ええ、そうなの! 愛染の湯というお宿のスイートルームに今日から泊まっているわ」
「そ、そう。アルバート様は……」
「同僚の騎士の方がいたとかで、お話に行っているの」
それはもしやエヴァンのことだろうかと予想し、そうであればどうか面倒なことにならないでと祈る。
なるべく早くミアからも離れようと思い、急いで転がった品物を拾っていく。
するとミアが、少し離れた場所に立つ付き人に待っているように穏やかに告げてから、アーシェリアスの前にしゃがみ込んだ。
「アーシェ、私ね、アルバート様との婚約が決まったの。とても幸せだわ。けれど、あなたは道に這いつくばって……かわいそう」
ミアの言葉は同情というよりも嘲笑う方が近く、アーシェリアスはどんな顔をしたらいいのかわからず、とりあえず笑みを浮かべてみたものの頬が引きつってしまう。