破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします
(別に好きで這いつくばってるわけじゃなく、アクシデントに見舞われただけなのに。悪役補正怖いっ)
ミアは転がった包帯を手に取り、アーシェリアスに差し出しすと、さらにマウンティングをとる為に悲し気に眉を寄せた。
「こんな姿を見たら、アルバート様もがっかりするわ。”元”とはいえ許嫁だったのだし、彼を恥ずかしめて困らせないでね」
それは完全に嫌味だった。
アルバートの相手にふさわしいのは自分であり、今のアーシェリアスは汚点にしかならないと。
(……確かに、令嬢としては反省すべき行いかもしれない。でも……)
婚約を解消してもなお、アルバートに縛られなければならないのか。
言われっぱなしは悔しいが、下手に揉めて父や兄に迷惑をかけたくはないと、アーシェリアスは、ミアの手から包帯を受け取り感謝の言葉を口にしようとしたのだが。
「そっちこそ、アーシェを困らせるな」
凛とした、けれど落ち着いた低い声は、先ほどアーシェリアスが心の拠り所として思い浮かべた人物のもの。