破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします
それは、アルバートが纏う騎士服にも縫い付けられているファーレンの紋章と同じもの。
しかし、その紋章を剣に使うことが許されているのは王族のみ。
ザックが名乗らなかったのは、ミアに一ミリも興味がないので教えるつもりがないだけだったのだが、ミアは王子が身分を隠すためだと勘違いした。
名乗らなくても、王子だとわかればそれで十分。
ミアはチャンスを逃すまいと自分を売り込むため、佇まいを直して片足を下げ上質なスカートを摘まんだ。
「はじめまして。私はミア・ファニングと申します。アーシェとは学友で──」
「悪いが、興味はない。行くぞ、アーシェ」
ミアの自己紹介をバッサリと切り、ザックはアーシェリアスの手を引いて歩き出した。
残されたミアは、アルバートを奪った時のようにうまくいかず、アーシェリアスを優先された屈辱に唇を噛む。
「い、いいの?」
「何がだ?」
「一応彼女、アルバートの婚約者で……」
アルバートは騎士だ。
しかも侯爵という階級で、王子であるザックにとっては部下に当たる。
その婚約者ともなれば、あまり適当にあしらうのも良くないのではとアーシェリアスは考えたのだが、ザックは特に気にした様子もなく「アルバート……」と呟いた。
そして、前方を見据えながら続けて唇を動かす。
「もしかして、そこにいるアーシェの元婚約者か」
「そこにいる!?」
しかし、その紋章を剣に使うことが許されているのは王族のみ。
ザックが名乗らなかったのは、ミアに一ミリも興味がないので教えるつもりがないだけだったのだが、ミアは王子が身分を隠すためだと勘違いした。
名乗らなくても、王子だとわかればそれで十分。
ミアはチャンスを逃すまいと自分を売り込むため、佇まいを直して片足を下げ上質なスカートを摘まんだ。
「はじめまして。私はミア・ファニングと申します。アーシェとは学友で──」
「悪いが、興味はない。行くぞ、アーシェ」
ミアの自己紹介をバッサリと切り、ザックはアーシェリアスの手を引いて歩き出した。
残されたミアは、アルバートを奪った時のようにうまくいかず、アーシェリアスを優先された屈辱に唇を噛む。
「い、いいの?」
「何がだ?」
「一応彼女、アルバートの婚約者で……」
アルバートは騎士だ。
しかも侯爵という階級で、王子であるザックにとっては部下に当たる。
その婚約者ともなれば、あまり適当にあしらうのも良くないのではとアーシェリアスは考えたのだが、ザックは特に気にした様子もなく「アルバート……」と呟いた。
そして、前方を見据えながら続けて唇を動かす。
「もしかして、そこにいるアーシェの元婚約者か」
「そこにいる!?」