破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします
慌ててザックの視線を追うと、ミアを迎えにきたのか、アルバートがこちらに向かってやってきていた。

アルバートは凛々しい瞳にアーシェリアスの姿を映すと、僅かに表情を硬くしたが、隣を歩く人物が誰であるかに気付き目を見開くとすぐさま頭を下げる。


「アイザック様! エヴァンから先ほどカリドに滞在していると聞きました。よろしければ護衛騎士を増やしますか?」

「いや、公式の旅ではないから必要ない」

「は、承知しました」


やはりアルバートとエヴァンは知己だったようだ。

ならば、アルバートとザックが互いに顔を知っているのも道理。

アーシェリアスがひとり納得していると、アルバートの視線がチラリと向けられた。


「お、お久しぶりです、アルバート様」

「ああ……」


アルバートはアーシェリアスとの婚約解消に際し、アイザック王子が間に入っているのを知っている。

どうやってアーシェリアスとアイザック王子が知り合ったのか。

なぜ共に旅をしているのか。

詳細は聞かされておらず、しかし本人を前にあれこれと聞き出すわけにもいかない為、そっとアーシェリアスの様子を伺っていると、ザックが「アルバート卿」と声をかけた。

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